r-7110のブログ

メルマガ『reborn』バックナンバー

交差点

 

富士山はエベレストより高かった

 

 

こんにちは

内藤です

 

いやー

凄かった・・!

 

死闘

なんて言葉で片付けてもいいのでしょうか

 

既存の日本語では形容し難い

形容すべきではない戦い

いや、24分間の人生のぶつかり合いでした

 

 

男子柔道66キロ級

東京五輪代表決定戦

日本柔道史上初のワンマッチ対決

 

阿部一二三選手 対 丸山城志郎選手

 

4分間では決着がつかず延長戦へ

 

どちらかがポイントを取るまで続けられる試合は

延長20分を過ぎた時

阿部選手の大内刈りによって決着しました

 

 

いやいやいや

 

凄すぎるでしょ

試合中からすでに伝説になりましたよ

 

柔道で24分ぶっ通しですよ

 

休むと「指導」が入るし

一瞬の隙も命取りになるし

 

テニスで言うとね

 

ポイントが切れた瞬間に

ボールフィードされて

3セットやり切るみたいなことですよね

 

いや

それどころじゃないですね

 

一つのポイントも落とせないわけですから

 

考えられないですよ

 

 

それにしても凄かった

 

二人の人生のぶつかり合い

 

当然にね

激しさや厳しさの応酬でしたが

見ているうちに

何とも言えない美しさをも感じました

 

雰囲気がまた荘厳でした

 

柔道の聖地「講道館」

 

柔道の創始者 嘉納治五郎が

柔道は「術」ではなく「道」である

それを「講」ずる場所

として創立したのが講道館

 

まさにその名のとおり

二人の柔道家の「道」が交錯していました

 

無観客の中で

妙なショーアップもなかったことが

二人の「道」を際立たせました

 

 

しかし勝負は勝負です

 

残酷にも一人を選出しなければなりません

 

もう開催国やし二人でいいやん

周りも何も言わないでしょ

とか思いましたが

 

当の本人たちがそれを許さないでしょう

 

結果

阿部選手が代表権を獲得

 

東京五輪での金メダルが期待されますが

 

もはやこの試合でしょうね

 

後世に語り継がれるのは

 

そして

阿部選手・丸山選手の胸に刻み込まれるのは

 

 

それほどの激闘でした

 

 

強敵、ライバルがいる

というのは幸せなことです

 

いやね

丸山選手がね

 

もし阿部選手がいなければ

自分がオリンピックに出れて金メダルも獲れたのに

 

なんて思ってはいないですよ

 

聞いたわけじゃないですが

これは絶対にそうです

 

アスリートの本懐は

結果を出したいんじゃない

 

自分を高めたい

 

それが柔道家という

「道」を志す者ならなおのことでしょう

 

だからこそ

昨日の24分間の戦いが素晴らしいものになったのです

 

 

阿部選手、丸山選手

二人とも今後も活躍してほしいですね

 

 

「富士山はエベレストより高かった」

 

冒頭のこの言葉

 

ロス五輪、ソウル五輪の金メダリスト

斉藤仁の言葉です

 

世界選手権にも優勝している斉藤仁

 

名実ともに世界一です

 

しかし

 

日本一になれなかったんです

 

日本にはあの史上最強の柔道家と言われた

山下泰裕氏が未だ君臨していたのです

 

結局、斉藤氏が全日本を制したのは

山下氏の現役引退後でした

 

ついに斉藤は山下を破ることはなかった

 

世界一にはなったが

日本の頂点には立てなかった

 

それが

富士山はエベレストより高かった

ということです

 

 

しかし

斉藤がエベレストを制することが出来たのも

 

山下という富士山

ライバルがいたからこそでしょう

 

 

選手たちには

ライバルの存在

この大切さを思って欲しいものです

 

それではまた

 

頑張ろう日本!